米Google創業者らが出資するブレークスルー賞財団が主催している自然科学の国際的学術賞である「ブレークスルー賞」基礎物理学部門の授賞対象として、欧州原子核研究機構(CERN)によって建設?運用されている大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を用いて行われている国際共同実験(コラボレーション)であるATLAS実験、CMS実験、LHCb実験そしてALICE実験がそれぞれ選ばれました。(受賞対象共著者13,508人 [内訳:ATLAS: 5,345人、CMS: 4,550人、ALICE: 1,869人、LHCb: 1,744人])
これら4つの実験は、現代素粒子物理学の標準模型や、それを超える物理を記述し得る新理論の高精度な検証により高く評価されています。また、4実験の内ALICE実験は、ビッグバン直後の宇宙を満たしていたと考えられている超高温?高密度物質であるクォーク?グルーオン プラズマ(QGP)の性質探究などを通じて基礎物理学の限界を前例のない領域まで押し広げてきた点が特に評価されました。
本賞は2015年から2018年にかけて行われたLHC第2期運転(Run2)による実験データに基づいて2024年7月までに執筆された学術論文を対象として授与されたものであり、この時期に共同研究者?論文共著者としてALICE実験に参加して実験装置のアップグレードや実験データ解析(主に、電磁カロリメータトリガーシステムアップグレードや、核子対あたりの重心系エネルギー5.02 TeVでのpp衝突およびPb–Pb衝突実験データ解析による荷電粒子ジェット事象の測定)を行っていた現?岩手大学 理工学部 数理?物理コース所属の細川律也 助教も受賞者名簿に名を連ねています。(Run2当時は、博士後期課程学生として筑波大学大学院およびUniversité Grenoble Alpesに所属)
現在、日本国内の研究機関としては佐賀大学、筑波大学、東京大学、長崎総合科学大学、奈良女子大学、広島大学(五十音順)が正参加機関として、また、熊本大学、理化学研究所(同)が准参加機関としてALICE実験に参加しています。
受賞した各コラボレーションの運営チームとブレークスルー賞財団との協議のもと、300万ドルの賞金はその全額がCERN & Society Foundationに寄付されました。寄付された賞金は、各コラボレーションへの参加機関に所属する世界各国の博士課程学生がCERNにおいて研究を遂行するための助成金として使用され、最先端の科学分野での研究経験や新しい専門知識?技術を得る機会を提供することで、各々の国々での科学の振興に繋がるように活用されます。
2025年ブレークスルー賞?基礎物理学部門, “2025 Breakthrough Prize in Fundamental Physics”
(「質量生成の対称性破れのメカニズムを実証するヒッグス粒子の特性の詳細測定、強い相互作用をする新粒子の発見、稀少プロセスと物質?反物質非対称性の研究、最も短い距離と最も極端な条件での自然の探究」)
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